2010年6月14日〜27日 イギリス・モロッコ家族旅行      参加者  稔・範子・克大・麻希子
6月14日(月)・15日(火) 関空 23:15発 ドバイ経由 ロンドン 12:15着
稔と私は関空発23:15 エミレーツ航空(EK317)にて出発、ドバイ経由でロンドンに行く。マキは東京発。カツは17日ロンドン着の予定。機内は団体客で満席だった。最近のヨーロッパ旅行はエミレーツ航空を使うことが多いらしい。エンターテイメントが充実していて、日本語で観れる映画が60本もあった。演歌を聴き、5:00(日本時間9:30)ドバイ到着。10時間以上かかった。
ロンドン行き(EK1)は7:45発。ヒースロー空港12:15着。この飛行機も満席だった。飛行時間7時間半。関空から20時間半もかかった事になる。長い旅だった・・・

    タクシーでホテルに直行。ホテルはキューガーデンの近くにあるチズウィック・モラン・ホテル。スタイリッシュな郊外ホテルで気持ち良い。風呂に入り、パジャマに着替えてぐっすり寝込んでしまった。
    17:30 マキ到着。あわただしく三人で夕食を食べに出かける。
    地下鉄でソーホーまで行って、ワンタン麺とダッグライスを食べた。おいしくて、お腹いっぱい、気分よくホテルに帰る。

    ドバイ空港のデモンストレーション・スペース
    6月16日(水) コッツウォルズの庭園巡り 一日目
    8:00 デビットさんが迎えに来てくれた。久しぶりの再会。庭園巡りの二日間は彼がドライバーを務めてくれる。
    今日は朝から素晴らしい天気。抜けるような青空に白い雲が浮かび、田園風景の中のドライブは最高に気分よかった。ロンドンンから2時間程でコッツウォルズに到着。
    10:15 ヒドコット・マナーガーデンHidecote Manor Garden に行く。
    コッツウォルズを代表する村、チッピング・カムデンの近くにある集落、ミクルトンの丘の上に創られたこの庭園は、アメリカ人ローレンス・ジョンストンが1907年から30年かけて作り上げたもので、20世紀の名園、と云われている。
    マナーハウスの後ろには生垣で囲まれた庭園が25個連なり、それぞれに特徴ある花園がえも言われず美しい。そしてシアター・ローンと呼ばれる樹に囲まれた細長い空間がそれを縦に貫いている。さらに奥の左側にはロングウォーキングと呼ばれる芝生の道が南北200mにわたって続く。カラフルな花園とシンプルな奥行きのある空間との対比が見事で、お互いを引き立てている。庭園の外に羊が群がり、麦畑が広がる光景も印象的だった。
    6月中旬は一番花の美しい季節。バラとしゃくやくが咲き誇り、あまりの美しさに時間のたつのも忘れた。
    シアター・ローン 生垣に囲まれた花園 ングウォーキング
    12:00 すぐ近くにある キフツゲート・コート・ガーデンKiftbate Court Gardens へ行く。
    ここは女3代に引き継がれ、創られた庭園で、現在のオーナーは創始者の孫にあたるアン・チェンバース。50種類ものバラが植えられているので有名である。
    庭園は丘陵を利用してアッパーガーデンとローアーガーデンとに分かれていて、両方ともとても魅力的だった。
    玄関でおじさんにお金を渡して庭に入るとローズガーデンが広がり、マナーハウスの壁に伸びるつるバラが目を引く。堂々たる邸宅を回り込んでアッパーガーデンをひとまわりする。ボーダーと呼ばれるイギリス独特の花壇が広がり、正面に池と噴水が設えてあった。女性らしい繊細な感覚でまとめられた花の植え込みはため息が出るほどの美しさ、道を芝生にした心配りもうれしい。 奥のウォーターガーデンには噴水形式の現代彫刻がしつらえてあった。
    急な階段を下ってローアーガーデンへ行く。真中に半円形の池のある芝生の広場が広がり、周囲には温暖性植物が植えられている。
    コッツウォルズ丘陵の景観を一望して、しばしの休憩を楽しむ。マナーハウスへ登る階段の途中に東屋が設えてあり、この椅子に座って眺める景色もまた格別だった。
    ナーハウス横のバラ園 に這うつるバラ ッパーガーデン
    ボーダーの植え込み
    昼食はマキが以前行った事のあるオーガニック・ガーデン・レストランに行く事になった。
    途中、チッピング・カムデンChipping Campden のメインストリートで車をとめて、少し歩く。
    コッツウォルズ地方は中世に羊毛の交易で栄えた場所で、ここはその中心地だったが、
    産業革命の時期をむかえると石炭がでなかったので衰退、取り残されていった。
    それが幸いして、現在は中世の面影をそのまま残す美しい村として注目されている。
    チッピング・カムデンの町は、14c-17c この地方特産のライムストーンで建てられた、はちみつ色の建物が軒を並べている。現在はほとんどがショップやレストランだが・・・
    1627年建造のマーケットホールを覗く。ここは乳製品や羊毛が取引された昔の市場の跡で、木組みの天井と石敷きの床が珍しかった。
    ローアーガーデン
    町を出て少し行くと、藁葺屋根の家がいくつも残っていて驚いた。
    有機的な丸みを持った屋根には窓と煙突があって、おとぎ話の家みたい。今でも住居として使われている。
    手入れされた邸宅に刈り込まれた植木、壁に這うバラ、色あざやかな草花・・・豊かな生活とはこういうものかも。
    チッピング・カムデンの町並み
    マーケットホール
    藁葺の家 石葺きの家
    14:00 レストラン到着。何もない田舎のど真ん中にあるナチュラルな構えの大きなレストランは、地元の家族連れでにぎわっていた。パンプキンスープ(絶品!)とサラダの盛り合わせを食べる。水を頼んだらピッチャーの中にキュウリがいっぱい入っていた。   帰り際、売店でクッキーを買った。
    16:00 スノーヒルズ・マナー&ガーデン Snowhills Mannor&Garden へ行く。
    ここはスノーヒルズ村にある個人の邸宅。かつてのオーナーのチャールズ・ウェード氏はコレクターとしても有名で、現在、ナショナルトラストの管理下、邸宅内はそのコレクションによる博物館になっている。うわさでは玉石混合と言う事なので、庭園を散策するだけで充分。
    入口からマナーハウスまで、スノーヒルズの田園風景を楽しみ、オークの大木に見惚れ、果樹園の横を15分歩く。
    羊の群れが多くて、稔、おおいに喜ぶ。
    葉庭園はマナーハウスの西側に広がる丘陵傾斜を利用して創られており、花々が咲き乱れる小道は登りも下りも楽しい。特に下りは広大な田園を遠景に取り入れ、果樹園を中景にして、カントリーガーデンの魅力満載という感じ。のびやかで美しい。
    閉館間際なのでほとんど人がいない。中庭に小さな牧師館が建っていて、内部は生活用品一式がそのまま展示されていた。
    スノーヒルズマナーハウス 牧師館
    傾斜面に伸びる花の小道
    ストラットウォード・アポン・エイボンの近く、エッティントン・パーク・ホテルEttington Park Hotel へ向かう。ここは広大な庭園を持つネオゴシック様式のカントリーハウスで、38代の領主によって守られてきた館だそうだ。現在はハンドピック・ホテルが経営する四つ星ホテルになっている。
    18:15到着。部屋は一階の庭に面したスペシャルルーム、絵にかいたような素敵さにうっとり。
    夕食までの時間を、大きな樹と芝生が広がる庭を散歩して、木陰のベンチでくつろぐ。
    食堂はクラッシックなインテイアで統一されていて、壁の羽目板に紋章が木目込みで並んでいるのが館の伝統を思わせる。夕食に私はラムを食べた。最高においしかった。
    時差ぼけもあって、シャワーもあびないで早々に寝てしまった。
    6月17日(木) コッツウォルズの庭園巡り 二日目
    エッティントン・パーク・ホテル
    朝早くに目が覚めたので、早朝の庭を散歩する。ウサギやリスが芝生を走り回っていて可愛い。
    今日も良い天気、朝日に館が輝いている。
    10:00 庭園巡りに出発。昨日と同じ道を南下して、再び芥子畑の横を通り、スノーヒルズの南西、ウィンチクムの郊外にある シュードリ・カッスル&ガーデン Sudely Castle&Gardens に行く。チューダー王朝のヘンリー8世が6番目の妃キャサリンの為に創った、チューダー様式の格調高いお城。1839年シュードリー卿に与えられたので、この名前になったという。
    11:20 ビジターセンター横の駐車場から20分ほど歩いて玄関に到着。気持ち良い散歩道だった。バスツアー客でこみあっていたので、裏からまわる。
    シークレットガーデンには150年前のイチイの植え込みが並んでいる。威圧感はなくて何ともユーモラスだった。
    セント・メアリーズ教会は古式豊かな建物に白いバラが絡んでロマンチック、メインのクイーンズ・ガーデンには見た事もないような色々なバラが植えられている。
    シュードリー城の中は博物館になっていて、チューダー王朝時代の衣服、アクセサリー、生活用品等々が展示されていた。ベランダから眺める田園風景が美しい。
    庭園内には現代彫刻も並んでいた。
    シークレットガーデンのイチイの植え込み クイーンズ・ガーデン
    セント・メアリーズ教会 ツルバラが美しい
    オックスフォード方面に車を走らせる。良いお天気! 田舎道のドライブは最高!
    13:30 バイブリー村 Bibury の近くにあるバーンズリー・ハウス・ガーデン Barnsley House Garden 到着。ここはローズマリー・ヴァレリーと言う人が、40年かけて造り上げた有名なプライベート・ガーデン。知らなかったが、現在は息子夫婦がカントリーハウス・ホテルを経営していて、宿泊者とレストラン利用者にのみ庭園を開放している、という。
    でも、遠方からわざわざ来たからというので特別に庭園を見せてくれた。
    17世紀のライムストーンでできた邸宅の横にノットガーデンがあり、前方は可愛らしい花園。隣のキッチンガーデンが有名で、そこへ行く通路も素敵だそうだが見逃した。
    バーンズリー・ハウス・ガーデン
    14:00 ケルムスコット・マナー Kelmscotte Mannor へ行く。
    ここはウイリアム・モリスが晩年を過ごした邸宅である。
    エリザベス朝の古い家屋の横に素朴な田舎式庭園と果樹園があって、コッツウォルズの田園をこよなく愛したモリスの、理想を具現した場所だったようだ。
    近くには小川が流れ、その岸辺沿いの小路がまた魅力的だという。
    駐車場の横に木の机があったので、サンドイッチとジュースで昼食にする。
    ビジターはモリスの館を見学するのがメインらしいが、見学ツアーには時間が合わなかったので、可愛らしい庭を回って、ギフトショップで買い物をした。
    外庭でランチタイム 館の中庭
    マナーハウスの中はモリスのインテリア 田舎風ガーデン
    15:30 一路ロンドンへ引き返す。17:00 ホテル到着。デビットさんとお別れをする。 二日間御親切にしていただき、本当にありがとうございました。
    カツはすでに到着していて、部屋にいた。 タクシーでデボンシャー・ロードにあるレストランに出かける。
    まずは四人のロンドン再会を祝して、スパークリング・ウォーターで乾杯! 
    本当に四人の家族旅行が実現して、感無量。 夢のような、信じられない思いがして、うれしかった。
    21:00 ホテルに帰ってゆっくりお風呂に入り、爆睡する。 今日はマキと同室だ。
    6月18日(金) 午前中 キューガーデン散歩。 夕方 マンマ・ミーア鑑賞。
    随分いびきをかいたらしい。マキは眠れなかったらしくひどく不機嫌。 7:00朝食。一人でサーモンサンドを頼む。稔とカツがきて三人で食べる。終わり頃マキが降りてきた。稔とマキと部屋の入れ替えを済ませて、9:00 キュー・ガーデンKew Garden へ出かける。
    キュー・ガーデンは正式名称をRoiyal Botanic Garden,Kew と云う。テムズ川のほとりにある広大な敷地を持つ庭園で、森や庭園が広がる中にグラスハウス、宮殿などが建っている。1759年王室のガーデンとして開園して以来、プラント・ハンターによって世界中の植物が収集され、拡大と造園が繰り返された世界的植物公園である。
    特に1884年に創られたパーム・ハウス、1846年完成のテンパレート・ハウスは鉄骨とガラスで造られた巨大な温室で、斬新なデザインは今見ても美しい。
    美しく機能的な温室の中に生い茂る熱帯植物群は、19世紀大英帝国の夢の象徴だったのだろう、そんな感じがした。
    テムズ川の引き舟 キュー・ガーデンの小路、子供とカモの行列 鉄とガラスで造られたテンパレート・ハウス
    12:00 歩き疲れて、キュー・ロードにある可愛らしいレストランで、ランチタイム。
    スコーンもサンドウィッチもケーキもとてもおいしかった。
    パーム・ハウスとバラ園 水中植物園 アフタヌーンティー
    午後は、ロンドンの中心地に出かけた。デザイナーズ・ギルドの店で二手に分かれて、私とマキはハムステッドへ、稔とカツはハロッズへ行く。
    17:00 ピカデリー・サーカスで、ミュージカル”マンマ・ミーア”を観る。三人のおばさんの土迫力、アバの音楽の魅力に圧倒される。素晴らしかった!
    ソーホーで中華を食べて、満足してホテルに帰る。
    続く