2011年3月20日〜4月6日 ネパール・ジョムソン街道トレッキング     参加者 稔・範子・竹本
3月19日(土)・20日(日) 関空0:30発 ⇒ バンコック5:00着 10:35発 ⇒ カトマンズ12:45着
今回は金曜日のフライトがとれなくて、土曜日出発になってしまった。
3月11日の東日本大震災の後、東京は計画停電と生活物資の不足が続いていて、カツ達が大阪に息抜きに来た。一緒に夕食を食べ、駅まで車で送ってもらった。21:00関空で竹本さんと落ち合い、チェックインする。飛行機は満席だった。
バンコック空港で、スタバのソファを確保して、ショッピング街を歩く。大震災直後とあって日本人の姿が見られず店は閑散としていた。
12:45 カトマンズ到着。しばらく見ないうちに空港がきれいに近代化されていて、おどろいた。ビザ申請の窓口も3か所あって、行列がスムーズにながれる!!!
今回のトレッキングガイドは、バクタさんの都合が悪くなり、急遽紹介されたマンシンさん。空港で初めてお目にかかる。
ホテルはアンバサダー・ガーデンホームAmbassador Garden Home。ゲストハウスの隣にある超便利なホテルだ。
  部屋でのんびり、コーヒーを飲んで、くつろいで、3人とも幸せ気分。
18:00 ロビーでマンシンさんと待ち合わせて、中華料理を食べに行く。街は停電が日常化しているらしくて、どこも暗い。
フライチキン、チリチキン、マービ豆腐、野菜炒め、炒飯、焼きそば、どれもおいしかった。
ホテルに帰って、シャワーをあびようとしたが、どうしてもお湯が出ない。あきらめて顔を洗おうと思ったら、熱いお湯がでた。
カトマンズの町
3月21日(月) カトマンズ9:00発 ⇒ ポカラ
6:30起床 7:00中庭で朝食 絞りたてのジュースがおいしい。
9:00 バクタさんが会いにきてくれた。
ここ一年間、運動と食事に気をつけてお酒もやめて一生懸命体を鍛えたそうで、すごくスリムに若々しく、元気そうだった。
会えてうれしかった・・・
タクシーで国内線の飛行場まで行く。ここもすっかりきれいになっている。でも、あいかわらず飛行機は1時間遅れた。
カトマンズの空は曇っていたが、マナスルがきれいに見えて、感激した。
ポカラのホテルはトレック・オテル Hotel TREK-O-TEL。石造りの六角形の建物が印象的で、以前から泊ってみたかったホテルだ。
フェワ湖のほとりにあるレストランでランチにする。
湖を眺めながら、ピザ、トマトスープ、サラダを食べて、リラックスタイム。
カトマンズのホテルで記念撮影 ポカラのレストランにて フェワ湖を望む
部屋にバスタブがついていて、幸せ。ゆっくりお風呂に入って、タカリ・キッチンに行く。私は魚のターリーを頼んだ。
小柄な魚がぶつ切りではいっていて、小骨がいっぱいだけどおいしかった。 21:00寝る。
3月22日(火) ポカラ 6:30 ⇒ ジョムソン(2720m) → カグベニ(2807m)
いよいよジョムソン街道のトレッキングが始まる。
朝4:30起床 5:30 マンシンさんが迎えに来る。レストランでコーヒーを飲んで朝食のお弁当を受け取って、飛行場へ向かう。
飛行機は15人乗りの小型機で天候が悪いとすぐ欠航するという。今朝は無事飛んだ。
カリガンダキ川に沿って飛行、アンナプルナ峰を右手に見ながら20分ほどでジョムソンJomsom(2720m)に到着。
飛行場は小さくて、何もないといった印象だが、ニラギリ Nilgiri(7061m)の峰が朝日に輝いて、素晴らしい眺めだった。
ポーターのハリーさんが待っていてくれた。彼はマンシンさんの友人の息子で、経済学専攻の大学生だそうだ
食堂でランチボックスを開ける(ゆで卵2個、バナナ、トースト5枚)。
ポカラは標高900m気温25℃、ジョムソンは標高2720m気温8℃。ウールのTシャツにウールのシャツを着てちょうどいい感じだった。
8:00 トレッキング・チェックを受けてカリガンガキ川に沿って石畳の道を歩く。川沿いに柳が芽を吹きニラギりが白く輝いている。20分程してジョムソンの本村を通り過ぎる。のどかな河原の道を歩いて行くと、次第に対岸が荒涼たる岩山となり、その奥にダウラギリ(8167m)、トクチェピーク(6920m)、ダンプスピーク(6012m)が連なって見える。
風が出てきて砂塵がひどいので、ネパール式マスクをして歩く。けったいな風貌に皆して笑いあった。 ジョムソン飛行場からニラギリを眺める
9:45ころ 東側が開けて、カトウガン(6484m)とトランピーク(6201m)が見えた。トランパスはこの後ろ側にあるそうだ。
10:00 お茶休憩。前方にニラギリが美しい。茶屋の売店でヤルサグンバという薬草を売っていた。中国名は冬虫花草(トッチュウカソウ)といい、虫に寄生した菌が芽を出して草になるそうだ。4−5000mのところにしか育たない貴重な薬草で、古くから不老長寿の薬草として珍重されている。1本700R。
11:20 エクリバティ Eklibbati で昼食。(ベジスープ、フライドライス、ボイルドサラダ) ここからカグベニまでは1時間あまりだ。
午後からますます風が強くなり、マスクなしでは歩けない。
ヤルサグンバ
後方に聳えるダウラギリとトクチェピーク、ダンプスピーク アンモマイトの出る河原と砂岩の丘
東側にカトウガンとトランピーク カリガンダキ川 果樹園と畑のむこうにカクベニの町が見える
ヒマラヤのアンモナイトはカトマンズでも沢山売っているが、カリガンダキ川のこの河原でしか採れないのでそうだ。30年前はどこにでもゴロゴロあったけど、今はほとんど見当たらない、とマンシンさんは言う。それでも普通の石とアンノマイトの石とは簡単に見分けがつくらしく、いくつか拾って割って見せてくれた。私には全然見分けがつかない。
カグベニ Kagbeni(2807m) はアッパームスタンの入り口にあたり、昔からチベット交易路の重要な宿場として栄えてきた。チベット文化が息づき、熱い仏教信仰に支えられた地域である。村に入ると河原に沿った低地に畑が広がり、モモの花が咲き、リンゴ園がいくつもある。おだやかな桃源郷のような印象が強い。
13:30 町で一番古く、格式の高いホテルに泊る。3階の部屋からムクティナータ・ヒマールが見える。 ホテルの立派な台所と昔の食堂、そしてプライベートな寺院を見せてもらった。その仏像の大きなことといったら! 奥さんは信仰厚く、毎日お供えをかかさないと云う。
カクベニの村の門 昔の食堂にて、チーズを造る道具を使って見せてくれる ホテルオーナーの仏間
1時間ほど休んで、散歩に行く。石を積み上げてつくった家々の間を通って、まずは仏教寺院に行った。
500年前に造られたものだそうだ。内部正面には金色に輝く釈迦像が祭られ、その上に4人の高僧の写真が飾られていた(一人はダライ・ラマ)。壁には曼荼羅図と諸仏が極彩色に描かれ、祭りの仮面等があって、にぎやかな空間だ。
カグベニの町広場 石造りの家々 500年前に造られた寺院
寺院の中 金色のお釈迦さま 寺院の塀のマニ車
寺院の塀に造られたマニ車を皆で回しながら歩く。寺院の裏側は宿舎になっていて、僧服の子供達がたわむれていた。
村はずれのカリガンダキ川のほとりの展望台に行く。ここはアッパームスタンとの境界線だ。ムスタン王国が廃止になった現在でもアッパームスタンに入るには特別な許可がいる。
砂岩の丘に囲まれた上流のカリガンダキ川の風景は荒涼として神秘的で、印象的だった。
カグベニの展望台からカリガンダキ川上流アッパームソタン方面を眺める
3月23日(水) カグベニ(2807m) → ジョムソン(2720m) → ダンパレイク → マルファ(2670m)
朝日に輝くニルギリ・ノース アッパームスタン方面 放牧に出かけるヤギの群れ
5:30起床。6:30小職。7:30出発。  時間を間違えて4:30に起きて、5:30準備完了、気がついてまた寝直す。バカみたい
朝から上天気で、ニルギリ・ノース(7060m)が朝日に輝いている。朝食は景色のよく見える屋上の食堂で食べた。
ニルギニ・ノースを見ながら歩く ダウラギリが見えてきた
昨日歩いた川沿いの道をジョムソンまで戻る。朝はヤギを放牧に連れ出す行列にいくつも出会う。ヤギの毛が長くて珍しかった。
左手にニルギニ、右手にパリンピークを見ながら歩く。 9:30 ダウラギリが見えてきた。
11:00 ジョムソンの町に入り、昼食。私は玉子ヌードルスープ。稔、竹本はチキンヌードルスープに失望して、シナモンロールを食べていた。
12:00出発。カリガンダキ川の長い鉄の橋を渡って、ダンパレイクへむかう。午後は風がキツイ。マスクは必需品だ。
道が崩れていて直接湖に行けそうもないので、ティニ村まで登って、それから河原へ下ることにする。登り疲れて途中の畑で一休み。麦とにんにくの芽が大きくなっていた。
川を渡り、もう一つ村を通過して、13:50 ダンパレイク Dhummpha Lake 到着。人っ子一人いない。
荒野にたたずむ神秘の湖は聖なる神の住処として大事にされているのだろう。きれいに整備されている。西方の丘に寺院が建っていて、年に一度の祭りには大勢の人が集まるそうだ。。
天気が悪くなってきて、トクチェピークの頭が雲にかくれてしまった。ニルギニも雲の中。湖の横の食堂でお茶を飲む。暖かくてほっと一息ついた。
ますます風が強くなってきた。一気にカリガンダキ川まで下り、木製の怖い橋を渡って、河原を歩く。
カリガンダキ川 ティニ村への道 ティニ村
ダンパレイク
16:00 マルファ Marpha(2670m) 到着。
マルファは古くからチベット交易路の重要な拠点として栄えてきた町で、ジョムソン街道の中でも最も人気のある町である。
石畳の街路に白壁の家が並ぶ美しい景観は情緒をさそう。
道の両側にはみやげもの店が並び、ホテルも立派だ。部屋は食堂から中庭を渡った別棟にあり、トイレ・シャワー付き。
寒さにふるえながらシャワーをあびて、散歩に出かける。雨が降ってきた。
明治時代 仏教学者河口慧海は日本人として初めて鎖国中のチベットへ行き、チベット仏教の経典を持ち帰った。マルファには慧海が滞在した家が記念館として残されている。2002年には慧海の肖像が切手になっているし、よほど尊敬されているのだろう。記念館を覗き、店を見て歩いて、高所にあるサムリン・ゴンパへ行った。マレーシア人が建てたお寺だとか。雨の中、長い階段を登っていくうちに日が暮れてしまった。
寺院の境内
マルファの町
河口慧海記念館
マルファはりんごの特産地といして名高い。これは日本のNGOの協力で栽培に成功したものだそうだ。
夕食時、マルファ特産のアップルブランデ-を飲んで、干しりんごを買った。
3月24日(木) マルファ(2670m) → ラルジャン(2550m)
5:30起床。6:30朝食。7:30出発。稔、朝から日本食。調子が悪そうだ。
もう一度河口慧海記念館を覗き、りんご畑を通って、平坦な川沿いの道を歩く。朝は風がないし車も通らないので歩きやすい。
9:20 トクチェTukuche 着。マルファに似た造りの町だ。ホテルの屋上で真正面に輝くドーリーを眺めながらアップルジュースを飲む。おいしい!!!
ガラスのふたをした木箱で輪
切りにしたりんごを干してていて、珍しかった。
川に沿った車道を歩く トクチェのホテル屋上にて 干しりんご
再び ゴロゴロ石の河原を歩いて、11:00 ラルジャンLarjung に入り、11:30ホテル到着。今日はここまで。
ヌードルスープを食べて、洗濯をする。2階の私たちの部屋は水がないので、竹本さんの部屋の洗面所を貸してもらう。稔は外の水道で洗ったが手を漬けていられない程冷たかった、と云う。
竹本さんと裏の河原に出かける。天気は良いが、雲が多くて山の景観はもひとつだ。断層の入ったきれいな石をみつけては喜ぶ。ハリーさんも来て、アンモナイトを探したり、石を割って遊んだりしていた。
16:00 食堂でお茶を飲んでいたら雨が降り出して、あわてて洗濯ものを取り込む。
18
時ごろ土砂降りになる。部屋の雨漏りがひどくなって、竹本さんの部屋からバケツを借りてきた。
18:30 夕食。エッグベジ・スプリングロールを食べる。
稔がつらそうなので、明日はタトパニに直行して、2連泊することにする。
河原で石と戯れる
ラルジャンの町並
3月25日(金) ラルジャン(2550m) → セックン湖(2720m) → カロパニ(2530m) ⇒ ガーサ(2010m) ⇒ タトパニ(1190m)
朝6時、朝日に輝くダウラギリが最高に美しかった。食堂の横のベランダに出て飽きずに眺める。今日はセックン湖に寄ってカロパニまで歩き、そこからはバスでタトパニまで行く予定だ。
朝日に輝くダウラギリとトクチェピーク  ラルジャンにて
7:00出発。 河原を歩いてバクシコーラとの出合へ行く。何回もちいさな橋を渡り、石伝いに川を渡る。気温が低くて木の橋は霜だらけだった。
広々とした河原、青く晴れ渡った空にダウタギリとトクチェピークが白く輝いている。
8:00 牛の糞だらけの松林を登る。開けた丘の上に村跡があって、ダウラギリとアンナプルナの両方がきれいに見える素敵な場所だった。
9:00 セックン湖 SekongLake(2720m) 到着。ここは神の聖なる湖として崇められていて、年に一度、ヤクの血を飲み神にささげる盛大な祭りがあるそうだ。
今日は風がないので、東にアンナプルナ、西にダウラギリが、水面に写って神々しい雰囲気だ。
バクシコーラを渡る 水面にダウラギリを映すセックン湖 アンナプルナを見ながら村跡を通過
名残を惜しんでコケッタンティ方面へ下る。
カリガンダキ川まで下り、河原をしばらく歩いて 10:30 コケッタンティ Kokhetthantie で休憩。 11:45 カロパニ Kalapani 到着。
昼食をとって、ガーサ行きのバスを待つことにする。稔、宿のベッドに倒れ込む。私と竹本さんはフラドライスを半分づつ食べて、ポテトスープとアップルジュースを飲む。
裏手に日本のさくらが咲いていた。マンシンさんは10年間日本に滞在した事があり、お花見にも行った事があるそうだ。皆、酒を飲んで酔っ払って、びっくりしたと言っていた。
カロパニのホテルにて ガーサのバス停 車は道路工事のため休憩
13:30予定のバスは14:00過ぎてやっと来た。ネパール時間に慣れなくては・・・
バスは満席、後方通路に荷物をおいてその上に腰掛ける。ガーサまで1時間、未舗装の大変な道だ。体中がゴムマリのようにバウンドし続ける。
15:00 ガーサ Ghasa(2010m) 到着。マンシンさんがタトパニまでのキップを買いに行く。ここでバストジープに振り分けられるそうで、トレッカーは大抵ジープらしい。
私たちの乗ったジープは13人の乗客を乗せてすし詰め状態だった。ほこりがひどいので幌を閉めて、ほとんど外も見えない状態でカリガンダキ川の崖っぷちをガタガタと突っ走る。途中、道路工事を待って一時休憩した。川沿いの急峻な崖によくもこんな自動車道路を造ったものだ、と改めて感心する。
ガーサからタトパニまで約800m下って、16:30 タトパニ到着。やれやれ、体中がギシギシときしむ。
タトパニ Tatopani(1190m) は熱い水という意味で、温泉で有名になった。河原に温泉が造られいて、30Rではいれる。
温泉の横の高い階段を登ってホテルに行く。デラックスにトイレ、シャワー付きの部屋だ。窓の外にみかんの花が咲いて、庭はポインセチアがきれい。標高が下がって暖かいのだ。
19:00夕食。まずはヒマラヤンビールで乾杯して、チキンカレーをたべる。おいしい。しぼりたてオレンジジュースも最高。
明日温泉に入ってゆっくり一日休憩すれば稔さんも元気になる、とマンシンさんはいう。そうでありますように!
3月26日(土) タトパニ滞在
一日休憩、とあって 6:00まで寝ていた。  7:00朝食にする。ポリッジ(オートミール)、目玉焼き、オレンジジュース、ヨーグルト。竹本 チベッタンブレッド。稔 竹本さんの梅がゆをもらう。
9:00 温泉に行く。現地の人が何人か入っているだけですいていた。気持ち良い事このうえもなし。くせのないぬるめのお湯なのでいくらでも入っていられる。
茶屋でマッサージをしている。稔、全身マッサージをたのんだ(1500R)。10:00一人でホテルに帰り、ジュースを飲んでひと眠りする。
ランチはパンプキンスープとスパゲッティ。これもおいしかった。
その後また昼寝。
どしゃぶりの雨が降ってきたが、少し小降りになったので町に出る。本屋の前に76歳でエヴェレスト登頂をはたしたタトパニのおじいさんの写真が飾ってあった。
ホテルの中庭 タトパニの温泉
夕方また温泉に行く。稔がしきりに勧めるので、二人ともフットマッサージをしてもらう。 私はよく分からなかったが、竹本さんは効果あらたかだとしきりに感激していた。
夕食は再びビールで乾杯してフライドライスとパンプキンスープ。稔大分元気になって、ゴレパニ峠まで行けそうだ。
町を散歩する 76歳でエヴェレストを登頂した英雄の写真
続く