2017年8月25日~9月14日  ムスタン王国・チトワン旅行  
8月25日(金)   関空14:10 → 広州16:55/19:50 → カトマンズ22:15

私は9:40のバスに乗り関空.着11:00。 タケさんは宇佐美を今朝発って12時過ぎに関空に到着。久しぶりの再会をよろこびあった。

14:10発の中国南方航空に乗り込む。飛行機は横に3席の座席が2列あるのみの小型飛行機で、エンタメなしのシンプルさ。私達にはこれで充分だ。
関空から11時間を経て22:15カトマンズ到着。時差3時間15分、日本時間01:30、11時間半の移動である。

夜遅いのに空港内は人であふれている。ビザ発行(今回は滞在期間が長いので4500円)、入国審査、両替、スーツケースの受け取り、すべてがズムーズに行って、
無事マンシンさんと再会した。マンシンさんと会うのも久しぶりだったけど、とても元気そうでうれしかった。 
12時半、やっとタメル地区にあるサムサラ・リゾート・ホテルに落ち着いた。

826日(土)   カトマンズ滞在   パタン・ボダナート訪問

 

7:00起床。朝から晴れ渡り、遠くに山が見える。ポカラ方面に行く峠だそうだ。 朝食はホテルの食堂で食べる。

10:00、マンシンさんが迎えに来て、タクシーでパタンPatanに行く。
パタンは中世のマッラ王国の首都が置かれていた町で17-18世紀に造られた王宮が美しい。
ダルバール広場に並ぶ寺院は鉄柵が張り巡らされていて立ち入り禁止、震災による被害の修復作業が行われていた。
王宮の中にあるパタン博物館に入って、仏像,神像の見事なコレクションを1時間かけて見る。
その後、庭園の喫茶室でお茶を飲んで、ゴールデンテンプルに行く。
本堂は金色に輝やき、回りをかこんでいる精巧な彫刻は見事なネワール文化の結晶である。美しい。

14:30、ボダナートBoudhanathへ行く。   何回来てもあきずに感動してしまうから不思議だ。
ブッダの目に見つめられながら、真新しいタルチョはためくストウーパの回りを歩く。
若い音楽グループが、2週間前の大雨によるネパール南部の水害を救う募金活動を行っていた。

 

 

                    ボダナート  

827日(日)   カトマンズ830 → ポカラ  by air

 
  8:30発の飛行機でポカラに行く。 飛行機は順調に飛んだ。今日は曇天なので山は全然見えなかったけど。

ポカラのホテルはHotel River Park Pokharaフェワ湖から少し奥まったところにある。
部屋はエアコン・バスタブ付きの2階。広々とした風通しのいい部屋で快適だった。
予想外だったのは、ポカラは日中ほとんど停電していてエアコンが役に立たなかった事だ。
夕方電気がつく頃にはホテル側でエアコンスイッチを切ってしまうし、、、

湖畔レストラン、マイクズ・レストランでランチ。チョウメンがおいしかった。

部屋に戻って、17時まで爆睡する。あまりの暑さに目が覚めた。
午後からはスコールみたいな雨が降る。夏のポカラは毎日こんな雨が降るらしい。 とにかく蒸し暑い。

ポカラ・フェワ湖   あまりお腹が空いていないので、パンと果物を買って夕食にする事にした。
バーナーでコーヒーを沸かし、ゆっくりバスタブにつかって、リラックスする。夜も爆睡!

828日(月)   ポカラPokhara(820m) 10:45 → ベニBeni (830m)13:45 → タトパニTatopani(1190m) 17:00

今日は朝一番の飛行機でジョムソンへ飛ぶ予定で、4:30起床、6:00にホテルを出発した。
朝から雨がシトシト降っている。飛行機は飛ばないかもしれない。

2階のレストランでサンドイッチとミルクティの朝食を食べて、待機の体制に入る 。
9:30、結局飛行機は飛ばず、キャンセルになったので、ジープをチャーターして行くことにする。

10:45出発。 雨はすでに上がっているが川が増水して、灰色の濁流が恐ろしい程の速さで流れている。

12:45クスマKusma通過。 12:45ベニBeni到着。軽くバナナとリンゴで昼食。
どす黒い濁流のカリガンダキ川に沿って造られた崖っぷちの道路は泥がえぐられてジープの車輪がはまりそう。
泥から抜けられなくて難儀しているバイクもあった。
ガタガタ飛び跳ねながら何とか道を駆け抜けて、川を渡渉して、とにかくジープの力はすごい。
車の中で飛び跳ねながら少々車酔いの状態が続く。
ポーターさんは昨日ジープで12時間かけてジョムソンまで行ってるらしい。

17:00 タトパニTatopani到着。 2011年に泊まったのと同じロッジに泊まった。
何はともあれ暗くなる前に温泉に行こう、ということになる。
オフシーズンとあって観光客は少なく、地元の人が7-8人入っているのみ。
水温が高くてとても長くは入っていられないのだけど、とにかく気持ちいい。 更衣室とトイレが出来ていた。

タトパニは町中が停電中だったが夕食中にやっとついた。夕食はチョーメンとベジスープ 。
蚊がすごくて思いっ切り刺されて、早々に食堂から部屋に逃げ帰った。

 
  タトパニの村  
 
                      タトパニ温泉  

829日(火) タトパニTatopani(1190m) 8:20 
→ カロパニ
Kalopani(2530m) 13:30-16:30 → ジョムソンJomson(2720m) 18:00 → カクベニKagbeni(2800m) 19:15

6:00起床。夜中にすごいスコール状の雨が降った。朝には晴れて、部屋の窓から見える緑が清々しい。 朝食はパンケーキ、ミルクティ、りんご。

今日はカクベニまでジープで行く。昨日よりさらに悪路甚だしいとの事で覚悟が必要だ。

7:30道路で待つもジープが来ないマンシンさんが。運転手を迎えに行って、やっと8:20出発する。ネパールだなあと思う。
しょっぱなから激流に沿った崖っぷちの道が続く。ぬかるみも昨日に増してすさまじい。9:20がけ崩れ修復工事のため通行止め、30分後に出発する。
二人の白人トレッカーが歩いていた。このぬかるみ道をよく歩くな、ひとしきり感心する。 10:00お茶休憩。  その先も工事で通行止め。

 

左岸の崖にジョムソン行きの飛行機がぶつかったことがあるそうだ。
飛行機事故は結構多いとマンシンさんは云う。
一年に一度くらい、というのは大げさだと思うけれど、,ここで聞くと真実味がある。

 

 

 
タトパニ~カロパニの道路 道路を修復中        

30分ほど走ったらまた工事で通行止め。 崩れた崖の岩を小さく砕いて、トラックで運んでいた。

また、この道路は密輸入を警戒してチェックポストがいくつも設けられている。
そのたびにチェックストップするので中々道のりがはかどらない。

11:45 カロパニの手前、道が崖崩れで完全にふさがれていた。
今朝9時頃に崩れたそうで、まだ修理の車も来ていないし、いつ開通するかわからない、と云う。
しばらく待っていたけど諦めて、カロパニKalopaniの村まで歩くことになった。
平たんでのどかな道を1時間近く歩く。 カロパニは高等学校もある大きな村だ。

13:30 カロパニノレストランで、ヌードルスープを食べる。
このホテルは毎年大統領が滞在するホテルだそうで、リッチな作りだ。
工事が終わるのを待って、ロビーの皮ソファーに毛布を敷いて横になり、うとうとしてた。。

 
カロパニの手前で崖崩れ    

16:30 道路が開通しなかったので、新しい車に乗り換えてカクベニまで行く事になる。
カロパニからはカリガンダキ川の川幅が急に広くなって川の流れも穏やかになり、道路状態も良くなる。順調にジープが走って一安心。
今度の運転手は賑やかななネパーリーポップスを流してくれるので気分が浮き立つ。

17:40夕闇せまるツクチェTukuche通過。2011年、稔と一緒にここに泊まったなあと感慨ひとしおだった。 18:00ジョムソン到着。
ポーターのサイラさんと一緒になる。

カクベニまで40分と思いきや、途中の道路工事でまた20分待たされた。以前歩いた道の風景が懐かしい。
しかし道路はすっかり車道用に造り直されていて、味も素っ気もない。 横から流れ込むパンダ・コーラの急流をジープは水しぶきを上げて渡ったが、
すでに大きな橋を建設中だ。以前ロッジが一軒だけあった処は立派なロッジ村になっていた。
残念なことに、ここはもう歩く道ではなくなっている。
 時の流れは予想以上に速い、、、あの時、のんびりした河原沿いの道を歩いておいて本当によかった、、、と思った。

19:15 カクベニKagbeni到着。 ホテルは停電中だった。夏はあちこちでしょっちゅう電線の故障が起きるらしい。
もう体がガタガタ、疲れ切っている。 夕食はトクパ。 きしめんみたいな平たい自家製の麺が美味しい。 夕食後すぐに寝た。

830日(水)   カクベニKagbeni(2800m) 8:00 → チュサンChhusang(2980m) 12:30

 

朝から上天気。体の疲れが残っていて歩くのが不安だ。チュサンまで7-8時間アップダウンアップするらしい。
8:00出発。カクベニの迷路のような街路を抜け、ゴンパの横を通り、カリガンダキ川が開ける展望台に出る。
2011年にはここまで来てジョムソンに引き返したのだった。

ここからいよいよアッパー・ムスタンに入る。川の対岸に村がある。灰色の大河と赤茶けた山々が連なる中にそこだけに緑が輝いている。 
カクベニの上方、雲の隙間からタパ・ピークThapa Peak(6012m)が見えた。ダウラギリ方面の山だ。

9:30路肩で大きな堤防工事が行われていた。工事現場で働く人々は近くでテント生活をしているらしく、何張りものテントが近くに張ってあった。

1:30 リンゴ農園の看板のある家で休ませてもらい、リンゴを買って食べる。
崖を下ったところでジープが来た。河川工事の男が7人乗っていて、後部座席に2人乗せてくれる、と云う。感激。マンシンさんとサイラさんは屋根の上に乗った。

12:30 チュサンChhusang到着。

             
 
  カクベニの展望台からカリガンダキ川上流を眺める    
  チュサン到着   チュサン村  

村の門のすぐ近くのロッジに入る。 気分が悪くて、そのままベッドへ直行。 ひたすら眠る。 
夕方、少し気分が良くなった。 明日もう一日ここに滞在する事にする。

チュサンは古くからある村で、チュクサンとも呼ばれる。
カリガンダキ川の対岸には驚くほどの襞と亀裂に覆われた赤い岩壁が聳え立ち、その景観は圧巻である。
この岩の柱はパドマサンバヴァに閉じ込められた巨人に見立てられたり、とにかく想像力を駆り立てられる。
岸壁の下部には百以上の洞窟跡が並んでいるが、これはおよそ2000年前から使われた住居跡で、その後仏教の道場として使われたものだそうだ。

部屋の窓から飽きず眺める。窓の下には蕎麦畑が広がり、周りを囲む木には真っ赤なりんごが枝もたわわに実っている。
野菜、麦、とうもろこしの畑も多く、ここは地味豊かな大地に恵まれた地方なのだろう。

19:00 夕食はトクパの汁にご飯を入れたお粥を食べる。
男女3人組のベトナム人と同席する。ローマンタンから尾根道を12時か掛けて下ってきたそうだ。元気いっぱい、食欲旺盛。
明日は4000mの峠越えをしてムクチナートまで行く、と云う。 本当に、若いって素晴らしい。

チュサンは暖かいし、シュラフを広げず、ベッドの布団で寝る。昼間あんなに寝たのに、夜もぐっすり眠る。

831日(木)   チュサンChhusang(2980m) 滞在

  チュサン カリガンダキ川対岸の赤い岩壁  
  岩壁の洞窟跡   古い村の家  
       
リンゴの木   私設ゴンパの入口 祭壇室の前    

6:00起床。7:00朝食。 9:00村の散歩に出かける。

チュサンの古いゴンパは川の向こうにあって、雨季の間は誰も近づけない。乾季になると川に木の橋をかけて行き来するのだそうだ。
村の有力者が造った私設のゴンパを見に行く。近くの丘の上の岩壁を掘って造られている。
鍵を持ったオーナーが留守だったので丘の上から景色を眺めながら待っていた。村には古い廃屋がいくつも見られる。
古来、家の天井は壁と同様に土で造っていたのだが、気候が変わって最近雨が降るようになったので、新しい家に引っ越しせざるを得なくなったらしい。

10:00やっと鍵を借りてゴンパの中に入る。木の急な階段を上ると僧侶の居住室、もう一つ階段を上ると祭壇室になっている。
ご本尊はブッダの先生だとか。壁の上部に浮き彫りが施され、その下に千佛が描かれていて、美しい。
木の階段は小さくて急で登るのも降りるのも大変だったが見ごたえがあった。

オーナーの家でホットレモンを飲む。庭にリンゴの木が植えられている。赤い小さな実がいっぱい、美味しそうだ。

川にかかる鉄の大きな橋を渡って対岸の古風な農家の間を歩く。土を厚く塗りこめた3階建ての風格のある建物だ。
そして真下から見る岩壁はまたすごい。 帰りは小さな木橋を渡って帰る。

昨日も今日も午後の2時頃から夕方まで半端じゃない程の強い風が吹く 。
これは一年中、毎日のことらしいが、とにかくすごい砂ぼこりで外出は苦痛だ。  これがかの有名なカルガンダキの風、というものか・・・。

18:30 夕食はボイルドベジのみ。スイスの若夫婦と一緒になる。
彼らが変わったものを飲んでいる。粟を発酵させてお湯で割ったものを、特別な器とストローで飲む、トンバという飲み物。
アルコール分5%というが、穀物特有の素朴な香りと味わいがあって酔っぱらいそうな気分になる。 ムスタン、ランタン、エヴェレスト方面でしか飲まないらしい 。

91日(金)  チュサンChhusang(2980m) 8:10 → シャンボチェSyanboche(3800m)12:30-13:30  → ガミ(3520m) Ghami14:30

5:30起床。6:30朝食。7:15出発。今日は乗り合いジープでガミまで行く予定だ。
川の流れが変わって木の橋が渡れなかったので、鉄橋を渡ってジープの乗り場に行く。まだジープは来ていなくて 8:10まで待ってた。

カリガンダキ川はここからは何故かムスタンコーラと名前が変わる。川沿いに20分程走ると、大きな岩の隙間からナルシンコーラが勢いよく流れ込んでいる。
岩は数百メートルもの高さで直立して、断崖の中間部分には僧侶の住居跡といわれる洞窟が一列に並んでいる。怒涛のような水流音が響き、圧倒されるような光景だ。
鉄橋は小さくてジープは渡れない。橋の向こうに待機しているジープに乗り換える。少し上流に大きな橋を作るらしく、現在は橋桁だけが完成していた。
ムスタンは道路も橋も村のロッジもいたる所で建設中だ。数年後には観光ラッシュですごく変わっているのではないだろうか。

ジープの乗客は現地人5人と私達4人、全部で9人。
隣村まで窓に2人もぶらさがってるのには驚いた。

道路は川から離れ、地層がむきだしのうねるような岩山を
登っていく。

9:00 サマルSamar(3660m)のきれいなレストランで
お茶休憩、ブラックティを飲み20分程休んで 出発した。

ムスタンコーラとナルシンコーラの出会い   ジープを乗り換える人々  
 
  地層むき出しの岩山     川が道路を流れる      
 
  崖崩れの修理  

乗り換えのジープを待つ人々

   

少し走ったと思ったらまた降ろされた 。
西側から道を横切って滝が流れ込んでいるのでジープが渡れず、乗り換えるのだと言う。
川を渡り4-50分歩く。
ジープに乗ったと思ったらすぐにまた降ろされた。谷川まで下って川を渡り、また登らなくてはならない。
今度は峠を3つくらい越えて1時間半くらい歩いた。体の調子があまり良くない。ヘトヘトだ。
上の方に新しく道を作って橋をかける工事をしていた 。
11:20 乗り換えのジープがまだ来ていない。 全員、道端に座り込んでゆっくり待つ。

12:30 シャンボチェSyanboche(3800m)の村で昼食。  13:30出発。

のぐねぐねと急カーブの続くガタガタ道を、運転手は片手でハンドルをにぎりスマホで話をしながら
運転してる。  見ている方が怖い。

 
ギリンの村が見えた  

峠から長い坂道を下ってギリンGhiling(3570m)到着。
小さな村だが、丘の上にカラフルなゴンパとチョルテンが見えて、畑では紫色の蕎麦の花が絨毯のように綺麗だった。ギリンで何人かがジープを降りた。

ここからは4000mまで峠を登ってまた下る。周囲は砂岩の山と地層線がくっきり横に広がる襞だらけの裸山。荒涼、としか表現のしようがない風景が続く。

14:30 ガミ(3520m) Ghami 到着。バス停の横のロッジに泊まる。 葵やコスモスの花が咲き乱れる庭で、ホットレモンを飲んでゆっくり過ごす。

マンシンさんと明日からの予定を相談して、結局ローマンタンまで歩かずジープで行くことにした。

夕食はボイルドベジとポテトガーリックスープ。客は私達だけだったので台所で食べた。

ここ2-3日ポカラからの飛行機が飛ばなかったので、観光客とほとんど出会わない。 しかし毎年、9-10月にはドイツ、フランス、アメリカ人がツアーを組んで
大挙して来るらしい。
皆ジープの旅で、歩く人は少ない、ロッジもたくさん出来て、ムスタンはどんどん観光地化している、とマンシンさんがいう。
確かに、この道は歩いて快適とは言い難いし、、、時代の流れは致し方ないかも知れない。

92日(土)   ガミ(3520m) Ghami 15:00 → ツアーランCharang(3560m)17:00 → ローマンタンLomanthang(3809m)18:00

6:30起床。7:30アップルポリッジで朝食。ここの机も龍の模様が描かれ極彩色の塗りが美しい。
コックのおばさんが細い筒にヨーグルトを入れ棒でゆっくりついて、バターを造っている。マンシンさんも手伝ってみるけど、力を入れすぎるとヨーグルトがこぼれるし、結構難しそうだ。
 
昨日ギリンで高校開校50周年の記念式典があったそうだ。近隣の村から大勢の人が来たので、今日は帰る人でジープが混み合っていて、乗れないかも知れない。
少し様子を見て乗れそうもなかったら、チャーター便でローマンタンまで行こう、という事になる。
だんだんご当地の交通事情が分かってきた。 少し遅すぎたきらいはあるけれど。

9:15 丘の上にあるゴンパに出かける。ネパール語のナマスティはチベット語でターシタレーと云うのだそうだ。
村の道を歩きながら村人にターシタレーと挨拶してみる。
白い土壁の家を通り、畑の石垣の横を通り、広場に建つ仏塔を過ぎて、のどかな村の空気を満喫する。
道端で子供たちが遊び、牛が練り歩く。大きなチョルテンの天井にはマンダラと千仏が描かれていた。

   
  ガミの村               ガミ・ゴンパ      

村のはずれの丘にあるガミ・ゴンパは全身が赤茶色に塗られれている。お堂の壁のマニ車を回し、中庭から本堂に入る。
何人ものお坊さんがご本尊に向かって2列に座り読経中だった。
ここはゴル派の僧院で、中央佛壇には大きな釈迦如来が鎮座している。 両側に立派な経典棚があり、チベット大蔵経がぎっしりと収められていた。

ご本尊の前には見事な砂曼荼羅が描かれていた。すべての死者を供養する法要が3日間行われている最中だそうで、
法要の種類によって描かれる砂曼荼羅も異なるらしい。
初めて見る砂曼荼羅に見とれる事しばし。極彩色でありながら清々しい美しさ、砂でこんな表現が出来るとは信じがたい思いだった。

壁も天井まで壁画が描かれている。釈迦牟尼と十六羅漢、金剛界五佛、無量寿佛etc、、、1900年代に描かれた物らしいが、とても良い仏画だった。

   
              砂曼荼羅          
 
  天井までとどく壁画                        

読経の声が心地よい。僧侶の後ろに座って5分程座禅を組む。死者のための法要とあって稔の供養を祈った。

お茶をごちそうになって、近くの蕎麦畑を見に行く。畑のあぜ道には色々な花が可愛く、真っ青な蝶々が飛んでいた。
蕎麦の花はまさに最盛期。畑中ピンク色に染まってそれはそれは綺麗だった。2週間程で実になる、というから花の美しいのはほんの僅かな期間だけだ。
麦畑も実りの真っ最中で黄金色に輝いているし、本当にいい時期に来た、と感謝、感謝である。

麦畑の向こうに近藤亨(コンドウトオル)さんが作った大きな病院が見える。風除けに畑に石を積み上げた壁をつくったのも彼の発案だとか。

 
  近藤さんの作った病院     ガミの蕎麦畑      

 11:30 ロッジに帰る。 昼食はテンツクThenthuk..。トウクパより太くて短い麺ですいとんに似ている。美味しい。

13:30 ローマンタン行きの定期ジープを待つ。一台来たけどやはり満員で乗れない。庭に座り込んでひたすら待つ。
16:00 チャータージープが来た。19:00頃にはローマンタンに到着するだろうとの事だった。

30分程走ると道端に長大なメンダン(マニ石の壁)が現れた。石と粘土で作られた壁にマニ石を貼り付け4色に色が塗られている。
起伏に沿って長々とうねる壁は大蛇のようでもある。
記念撮影をしてまた走る。相変わらずのすごい悪路だ。丘の上から谷川まで一気に下って、粗末な木橋を渡り、対岸の丘まで急登する。
ツアーランの村が見えてきて、また急降下。  17:00 ツアーランCharang(3560m)着。チェックポイントがあり、トイレを借りる。
ちょうど放牧の牛の帰宅時間だ。

ツアーランから川沿いに再び荒涼たる山の間を走る。
川のほとりにたくさんの洞窟が刻まれた大きな岩壁があった。

太古の昔に海底から隆起したというヒマラヤ山脈、
その痕跡を裸のままにとどめる山々。
あまりの生々しさに圧倒され、
人間はこのような大地に這いつくばるようにして
生きてきたんだ、と感慨にふけったりする。

タルチョがはためく峠から遠くの盆地に広がる
ローマンタンの町が見えた。
山に囲まれた大きな台地は緑の畑が広がり、
王宮の赤い城壁が目に染みる。
日の残照に上方の丘陵地帯が光っている。美しかった。

18:00 ローマンタンLomanthang(3809m) 到着。
町壁の外に建つロッジに泊まる。

  長大なメンダン(マニ石の壁)            
  ツアーランの村          
    ローマンタンが見えてきた     山羊の群れ    

夕食はロースティーポテト・ウイズエッグ(卸し金でおろしたポテトをバターで焼いたもの)とマッシュルームスープ。
マンシンさん達と一緒に麦のロキシーを飲んで食事のできるのを待ってた。自家製のまろやかな味でおいしい。

気温は12℃くらい、意外と暖かい。

93日(日)   ローマンタン滞在  馬でチュサル村Choserへ行く

今日は馬に乗ってチュサル村まで行く。一日中乗馬なので午後の風にそなえてダウンを着ていくことにした。

私は栗毛、竹本さんは白馬に乗って8:30出発。 馬に乗るのは初めてで、緊張したが、すぐに慣れた。
町の門を出て、川の対岸の道を行く。遠くに赤く塗られたローマンタンの城壁が見えて、昔の権勢が偲ばれた。
川沿いの道を北へ北へと進む。馬の背に揺られ、鈴の音と馬子の口笛が心地良い 。
畑の広がる村や牛の放牧地を通り過ぎて、チョルテンの建つチュサル入口に来る。

10:10入場料(1000R)を払ってチュサル村Choserに入り、馬から降りる。股関節がこわばっている。
20分程ビスケットとホッテレモンでお茶休憩。


 
  北からローマンタンの町を見る           チュサル村入口  

少し河原を登り馬を降りて、ジョンケーブShija Jhong Caveまで歩く。
対岸の岩壁には多くの洞窟跡が見える。周囲の岩はもろくて風化しやすいのか、奇岩の集積地みたいな登り道だ。
ジョンケーブは平坦な台地に聳える巨大な岩壁に造られた四階建ての住居跡である。外敵から身を守るために高い場所に洞窟を掘って暮らしたらしい。
私達はこんな辺鄙な場所に大きな村が作られていたことに驚くが、考えてみればここはチベット直近の場所だ。
古来、川辺の住みやすさから多くの人々が居住し、敵からの攻略に対抗して洞窟生活をしていたのだろう。
塩の道としてもチベットからの最初の宿場として重要だったわけだし。

    ジョン・ケーブの景観     ジョン・ケーブの下の渓谷    

 ケーブの鍵をもらって2階部分まで登り中を見学した。 広間は簡単な博物館になっていて生活用具が展示されていた。
部屋は狭く入り組んだ配置になっていて、垂直の階段が掛けられている。上まではとても行けなかった。 洞窟住居の規模の大きさにびっくりした。
それにしても圧倒されるような巨大な岩壁だ。下に降りて記念撮影をする。

次に、対岸にあるガルプゴンパGarphu Gunpaへ行く。
14世紀、王の息子である高僧ローオケンチェンが開いたお寺で、岩窟を利用して壁にへばりつくように造られている。
本堂は小さく質素、僧侶が丁寧に説明をしてくれた。ご本尊は釈迦牟尼で、堂内は釈迦牟尼と二大弟子、十六羅漢を描いた古い壁画と新しいタンガで飾られている。
古式豊かな紺紙金泥の経本を開いて見せてもらった 。実に立派な教本だった。
本堂の前に寄宿学校が建てられていて、小学生くらいの学僧がたくさん野外授業を行っていた。 みんな可愛い。

川沿いの道を下ってニブゴンパNive Gumpa。へ行く。
建立されて100年にもならない新しい寺院で、整備された境内に大きな本堂が建っている。偶然守り主のおばさんに出会い中に入れてもらえた。
ニンマ派の寺院でご本尊はパドマサンバヴァ。少々マンガチックな壁画は可愛らしくて楽しい。佛前で五体投地のお祈りをして敬意を表した。
入口の壁画がすごく中国的でこれまたおもしろい。

 
ガルブゴンパ本堂の壁画 ガルブゴンパ本堂内  
 
  ガルブゴンパ ニブゴンパ外壁 境内  
 
  ニブゴンパ入口の壁画                      

馬の待つ河原に戻って、20分程馬に乗り、13:20食堂でランチ。日本のうどんに似た麺と汁がおいしかった。
食堂の片隅で若者が5人、賭けトランプに熱中していた。 馬の食事は周辺に生えている草らしい。

午後になると風が強くなる。メガネ、マスク、ジャンパーで身を固めてまた馬に乗り、来た道を引き返す。風の吹く中を馬の背に揺られているのが何とも心地よい。

15:00ローマンタンの城壁が見えてきた。15:20ロッジ到着。ホットレモンで休憩。 股関節がガタガタ、一生懸命ストレッチをする。

 
  チュサル村をバックに   村の食堂 ローマンタンの古い城壁跡  

94日(月)    ローマンタンLomanthang(3809m) 滞在

7:00起床。8:00ポリッジで朝食。体調がすっかり良くなって安堵した。
朝は気温が低いのでジャンパーを着込む。

9:00ローマンタン市内散策に出かける。
今日は朝から青空の広がる上天気。絶好の洗濯日和とあって 、
大勢の人が絨毯やら毛布を前の小川で洗濯している。
この地方では年に一回、寒くなる前にこうした大物の洗濯をするのが
習わしなのだそうだ。

まず、外壁に沿って並ぶ商店をひやかしながら、ローマンタンの正門に行く。
ローマンタンの町は堅固な外壁に囲まれて門はひとつしかない。
大きな塔門はチベットに向かって北側に開かれている。
上に立派な仏塔が乗っていて、門の天井には曼荼羅が描かれ足元にマニ石が
沢山積み上げられている。堂々たる塔門である。

塔門   ローマンタン北門  

横に大きなマニ車を入れた極彩色のお堂があった。

内門を入ると四階建ての王宮がそびえていた。
王宮の前に小さな広場があり、ティジ祭はここで行われるそうだ。数人の人が水をまいて掃除していた。

王宮の横の狭い通路を歩く。
2階建て、3階建ての民家がびっしり建てられ、
壁の間の通路は狭くてトンネルになっているところもある。中世に紛れ込んだような気分、
美しく清浄な空気感がただよっている。

 
  ローマンタン王宮            

1470年代に建てられた寺院、トウプチェ・ラカンに行く。
入口には四天王の像、青い顔の増長天と赤い顔の広目天、白い顔の持国天と黄色い顔の多聞天がある。
本堂はローマンタン最大の広さを持ち、ご本尊は釈迦牟尼仏。赤い柱の間に旗がいくつも下げられていて美しい。
ご本尊の前では10人以上のお坊さんが円座になって砂曼荼羅を描き始めていた。
天井まで届く大壁画は修復の真最中で、足場に登って丹念に描いている画工の姿が見られた。
大部分は出来上がっているが、以前の壁画に忠実に、と心がけている様子だった。

ローマンタンには宮殿の西側に南北にならんでトウプチェ・ラカン、チャムパ・ラカン、チョエデ・ゴンパの3つの寺院がある。
トウプチェ・ラカンの横には城壁に沿って八基のトルチェンが並んでいる。
これは釈迦牟尼の事績を象徴する霊塔だそうだ。

 
  トウプチェ・ラカン入口
 
  入口を守る青い顔の増長天と赤い顔の広目天 トウプチェ・ラカンの内陣   描かれたばかりの壁画  
 
  壁画を描く画工 砂マンダラを製作中      

チャムパ・ラカンは弥勒堂を意味する。1440年代に建立されたお堂だそうだが、閉まっていて中には入れなかった。

チョエデ・ゴンパに行く。境内に学校があって、野外に大勢の少年僧が行列していた。僧侶の宿舎が隣接している。
お寺は1710年に開かれたが火災で焼失、1822年に再建されたそうだ。本堂には多数の金銅仏が安置され、壁画が素晴らしかった。
再びチャムパ・ラカンに行くがやはり堂内には入れず、二階に登って外観を見学した。

     
町の路 チャムパ・ラカン チョエデ・ゴンパ境内の学校      

10:30もう一度トウプチェ・ラカンの砂曼荼羅を見に行く。
先生の指導の下、若い僧が一心不乱に、中心から周囲に図形を広げていく。まだ1時間しかたってないのに着々と進行していた。
砂とは思えない細かく繊細な表現に驚く。 若者らしく陽気なポップスを大音響で流しながら描いているのがご愛敬だった。

 
トウプチェ・ラカンの砂マンダラ製作中   カラフルな砂を使う  

町の外はものすごい建築ラッシュ。数年したらロッジだらけになっているだろうと思う。 コンクリートをバケツリレーで運んでいるのにはおどろいた。

15:30ロッジに帰る。 ロッジの前に中国からトラックが到着して、綿の原糸やら耕運機を下ろしていた。
やはりムスタンはネパール中心部からあまりにも遠い。ここの住民にとって中国との通商は本当にありがたいだろうと思った。

19:00までベッドの上でゆっくり休む。
部屋でカメラの電池を充電するのに四苦八苦したが、コンセントをテープで壁に貼り付け、ひもで吊るして何とかなった。

ポカラ方面は何日も大雨が続いているそうだ。ポカラ~ジョムソン間の道路はがけ崩れが連発して通行不能、復旧に1ヵ月はかかりそうだとか。 
道理で観光客が来ないはずだ。
しかし、飛行機が飛ばない限りポカラには帰れないわけで、なんとも心細い。

9月5日(火)   ローマンタンLomanthang(3809m)830 → ガール・ゴンパGhar Gumba(3950m)1030
                                                    → ツアーランTsarang(3560m)1200

5:00起床。  今日はトウプチェ・ラカンで特別な法要が行われるそうなので、6:00 礼拝に行く。 マンシンさんは立派な菩提樹の数珠を持ってきてた。

 

 

   

寺の赤い壁が朝日に映えて美しい。
三々五々、お坊さんが来て読経の準備を始めた。

  堂内では何と、砂曼荼羅は完成していて上に様々な仏具が飾られていた。
  今日は生きているすべての人に力を与えるための法要だそうで、
  祈祷の種類によって作られる曼荼羅は違うそうだ。
  確かに先日見たガミ・ゴンパの砂曼荼羅とは色も形も異なる。

    トウプチェ・ラカンの完成した砂マンダラ  
 

祭壇への通路を挟んで両側に12人位の僧侶が座り 、
内陣の掃除も終わって、 7:00 太鼓、シンバル等の楽器
による合奏が始まる。長ーい笛の低音が加わった。

祭壇に向かって信者が五体投地の礼拝をする。
私達も五体投地の礼拝をして、お布施と花(布)を供える。

7:30 合奏が終わり読経に移る。
10分程お経を聞きながら座禅を組んで、ロッジに帰る。 
 ポリッジで朝食。

8:30 チャータージープで出発。今日はまずガール・ゴンパを訪問する。

トウプチェ・ラカンの横に建つ八基のチョルテン        

丘の上の展望台でローマンタンに別れを遂げる。
名残惜しい気持ちである。
雲が切れてニルギニ・アンナプルナ・ティリチピックの
白い峰が南方に見えた。

ジープは荒野を走り、荒々しい裸山の間を川沿いに下り、
遠くの丘の上のツアーランの村を見ながら進む。
ツアーランとの分岐を過ぎると崖っぷちの悪路になる。
道幅が狭くて、恐かった。

10:00 のどかなマラン村(Marangを通過。
収穫前の麦が黄色に輝き、
ピンク色の蕎麦畑が広がっている。
遠く、対岸の山腹に寺院が見える。
ムスタン最古の寺、ガール・ゴンパだ。

丘の上でローマンタンに別れを遂げる ニルギニ・アンナプルナ・ティリチピックが見えた。

ガール・ゴンパGhar Gumba(3950m) はローゲカル・ゴンパとも呼ばれる。
ここは8世紀にチベットから来たパドマサンバヴァが経典を埋蔵した聖跡で、1310年前、その埋蔵経典を発掘した高僧が寺を建立したのだそうだ。

ジープは山腹を登ってゴンパの庭で止まった。本堂を開けてもらうのに時間がかかるので、待つ間に周囲を散歩する。
丘の上に四角い形の古い仏塔が点在している。仏塔にはタルチョが張られ、一帯は霊気が漂うような一種特別な空気が感じられた。
眼下には村の蕎麦畑がピンクに染まってひろがっている。極彩色の入り口のある本堂は比較的小さいが仏像も壁画も素晴らしい(ここも撮影禁止)。

2階の食堂に上がってミルクティーを人で休憩した。 ドイツ人の若者二人と同席、これからローマンタンまで山道を歩いて行くらしい。ちょっと羨ましかった。

 
  ガール・ゴンパ     ゴンパの境内   裏の丘に建つ仏塔  
     
  本堂入口 入口の扉と壁画                

 12:00 ツアーランTsarang(3560m) 到着。マランの村からは行きとは別道で、川沿いに下り浅瀬を渡るとツア―ランはすぐだった。
昼食はトウクパ。 ひと眠りして14:30散歩に出かける。

 ツアーランはローマンタンの次に大きい村で、立派な街並みと広々した畑が広がっている。一段高い丘の上には王宮が、隣の丘にはゴンパがそびえている。
王宮は現在博物館になって武具が展示されている、というのでゴンパに行くことにする。

 ツアーラン・ゴンパは15世紀に開かれた寺で、当時は1500人の僧侶が居たと言う。現在は100人程で、半数はインドで勉強しているそうだ。
ここはムスタン最大の僧院である。大きなチョルテンといくつものお堂が建っていて、境内を囲む壁は赤、白、灰の三色に塗られている。
小高い丘の上にあるのでツア―ランの村全体が、遠くのマラン村まで手に取るように眺められて気持ちいい。反対側は川に沿った深い谷と荒野の絶壁である。

 集会所の奥のお堂を拝観する。このお堂はアメリカの援助で建て直されたが、壁画は当時のままを保存してある。
とても美しく、見ごたえのある壁画で、保護のため前面ガラス張りになっていた。
ご本尊は釈迦牟尼で、台の上に砂曼荼羅が供えてある。農作物の豊穣を祈る為の曼荼羅だそうだ。
期せずして今回は3つも砂曼荼羅を見ることが出来て、本当にラッキーとしか言いようがない。
写真撮影禁止だったのはやはり残念だったけど信仰の深さゆえの事、いたしかたないだろう。

また、ツアーランは川口慧海と縁の深いところである。慧海はチベットに行く方策を探りながら10ヵ月もの間ここに留まって、修行をしつつ村人の世話をしたという。
境内の片隅に川口慧海の霊廟が建っていた。外観は相当荒れていたが中はきちんと整備されていて感慨深かった。

 
   ツアーラン・ゴンパ                        
 
  お堂入口   川口慧海の霊廟 ツア―ラン村全景を眺める  

帰り道、のどが渇いて途中のロッジでお茶を飲む。ここは午後になっても風が吹かない。そして暑い。夕方になってニルギニ、アンナプルナがきれいに見えた。

16:40 ロッジに帰り、リンゴと日本茶でくつろぐ。 カメラの電池充電にまた一苦労するがうまくいった。 

19:00夕食。チャパティとマンシンさんのそばがきを少しもらって砂糖醤油で食べた。
やっとポカラ・ジョムソン間の飛行機が開通したらしい。明日は日本人客が15人もこのロッジに来るという。

96日(水)   ツアーランTsarang(3560m)920 → サマルSamar(3660m)1430-1730  → チュサンChhusang(2980m)1830

6:00起床。7:30朝食。
少し早く起きて、村の西の塔門へと散歩に出かけた。のどかな村の朝を楽しみながら歩く。

小高い丘の上に建つ塔門は大きくて堂々たる風格だ。外壁には象や馬など四仏の乗り物が漆喰でレリーフされ、門の内壁に主たる四仏、天井には曼荼羅が描かれている 。
塔門の横に3本の旗が立ち、タルチョがはためいて、雰囲気抜群。道路を挟んだ丘の上には赤い仏塔のような建造物が並んでいる。
ここから眺める村の眺めは抜群で、白壁の農家とピンクの蕎麦畑がひろがり、村はずれに王宮と僧院がそびえている。 景色を堪能して帰った。

  ツアーラン村の景観 村の入口にある塔門  

今日はジープでチュサンまで一気に下る予定で、チェックポストの前で9時発の定期ジープを待つ。
ジープには大抵10-12人は乗る(運転席2人、前座席4人、後座席4人)。私達二人は前座席に若いお坊さん二人と座った。
 9 :20出発。  大きな荷物を積んだジープが前を走っていてほこりがすごい 。
しかし、いくら揺れても上に積んだ荷物はびくともしない。長年の石積みの技術が伝承されているのかも、とか思いながらほこりに耐えていた。
 10:45 ガミ到着。3人、ジープを待っている人がいたけど満席で乗れなかった。

11:00 シャンボチェSyanboche(3800m)の村で昼食。インスタントラーメンを食べる。
ジープの同乗者はみんなダルバートを食べていた。12:00出発。一人乗客が増えて、運転席に3人座った。ギアチェンジがよく出来るものだと感心する。

延々と続く山間の崖路を走る。少しづつ草の生える緑の山になってきた。
12:30ジープを降りて歩く。 崖っぷちの道をアップダウンして、工事中の箇所を何か所も通り過ぎ、滝から流れる川を渡り、
13:30、下から登ってくるジープを待つ 。
しばらくしてジープが到着。しかし乗ったと思ったらすぐに次の滝の前で降ろされて、川を渡り、峠まで歩く。
対岸にローマンタンまで続く尾根道が見える。下の方にサマルの村が見えてきた。
いつまでたってもジープが来そうもないのでサマルまで歩くことにする。草原に花が咲き乱れていてきれい。爽快な下り道だ。

 
ツアーランのチェックポストの前でジープを待つ 峠道を歩く            
 
サマルの村が見えてきた サマルの草原   道端の花 ナムシン・コーラとの出会い

14:30 サマルSamar(3660m)のロッジで休憩する。ローマンタンからバイクで来た10代の少年と同席する。
ジープが中々来ないので裏の高原に遊びに行く。花が咲き乱れ馬が2頭草を食んでいる。 日差しが柔らかく暖かい。
15:30雲の間から白峰が見えてきた。やはり白く輝く峰々を見ると心が躍る。17:00、まだジープは来ない。日が陰って寒くなってきた 。
暖かいミルクティを飲んで体を温める。

17:30 やっとジープが来た。若い元気のいい運転手で、陽気なネパール・ポップスをかけながらジグザグの急坂をものすごいスピードで走り降りる。
600mを一気に下り、ジェットコースターもどき、手に汗にぎる怖さだった。

急に川幅が広くなり道も緩やかになって、ムスタン・コーラとナムシン・コーラとの出会いに到着。鉄橋を渡ってジープを乗り換え、チュサンの村へ入る。
もうすっかり夕方だ。
18:30 先日と同じロッジに着いた。前回と同じ部屋に落ち着く

夕食はテントウク(きしめん)。工事現場のお兄さんたちがいっぱい食事に来ていた。

97日(木)    チュサンChhusang(2980m)900 → ジョムソンJomson(2720m)1130

6:00起床。今日は朝から晴々するような上天気。
屋上で対岸の絶壁をほれぼれと眺めて、ムスタン最後の景観を味わう。
朝食はあいかわらずアップル・ポリッジ。夏も終わりに近づいて、少々肌寒い。
今日はバスでジョムソンまで行く予定だ。 ロッジの前がバス停になっている。

9:00出発。バスはほぼ満席状態。
バスはジープのように飛び跳ねないのでリラックス出来る。
ネパールの歌謡曲っぽい音楽も快適。
カグベニまでカルガンダキ・コーラに沿ってバスは走る。

Tangbeの村を過ぎ、行きに休憩したリンゴ農場を通り過ぎ、川幅が広々としてくる。
何回見てもカルガンダキ川の砂洲と岩山の光景には感嘆してしまう。

チュサンの絶壁  

 
9:50カグべニ近くの工事現場で除石作業のためストップ、20分ほど砕石機の作業が終わるのを待つ。
バイクが石に挟まり往生していた。

対向車が2台も来て、どうやってすれ違うのかと
気をもんだりしながら、 10:30カグベニ到着。

乗客の半分は下車したけどまた大勢が乗車して満席状態でバスは出発した。

懐かしいカルガンダキ川の景色を眺めながら行く。

11:00 パンダ・コーラとの合流地点では川を中々渡れないで苦労していた。
やはりバスはジープのようにはいかないのだろう。
10人位のサイクリング者が裸足になって川を渡り、
躊躇していたバイク3台も何とか渡った。
皆、橋の完成を待ち望んでいる事だろう。

11:30 ジョムソンJomson(2720m)到着。

旧市街の端にある立派な寺院の前でバスを降りる。
旧市街を通り抜け、橋を渡り、軍隊駐在地、飛行場を通り過ぎて、12:10ロッジに着く。
人懐っこい猫が迎えてくれた。

 

 
カルガンダキ川の流れ カクベニが見えてきた  
 
  ジョムソン~カクベニ間のカルガンダキ川  

昼食はポテト料理、おろしたポテトを油で焼いて目玉焼きを上に乗せている。おいしかった。食欲復活である。

食後、買い物に出かける。すごい風が吹いている。どこもかしこも埃だらけだ。 久しぶりにシャワーを浴びて洗濯をして、17:00まで寝る。

夕食はチキンダルバート。高度が3000m以下になると俄然食欲が復活してくる。 
 
ジョムソン到着 ジョムソンの町 リンゴの売店  

98日(金)    ジョムソン滞在

6:00 目を覚ましたら素晴らしい天気で、ニルギニが朝日に輝いてた。 飛行場の向こうにトロン・ピークも見える。 2階のベランダに登って飽きず眺める。
 
朝日に輝くニルギニ ジョムソン空港   ポカラ行きの飛行機が飛び立った  

朝食は二階の食堂で四人並んで食べた。トースト,ゆで卵。
サイラさんとは今日でお別れだ。ありがとうございました。 サイラさんは62歳。20歳からトレッキング・コックをしているらしい。
これからダウラギリに行くドイツ人グループと合流して、その後マンシンさんとマナスルに行くと言う。 元気そのものだ、ほとほと感心する。

空港を発着する飛行機を見にベランダへ行く。 小さい飛行機とはいえ、到着から出発まで15分しかかからない。 なんともすごい早業である。

私達は、明日のポカラ行きチケットを今日に変更した。しかし昨日ムクチナートで大きな祭りがあったので、今日は帰りのインド人で込み合っているらしい。
一応キャンセル待ちはしているけどほぼダメだろう、とのことだった。 まあ、一日、のんびりと過ごそう。

1階から2階の特等室に移動する。
部屋からニルギニの白い峰が見えて最高だ。

9:30何もすることなし、お茶を沸かして梅を入れて飲んだり、猫と遊んだり、ごろごろして過ごす。

食堂はフランス人のグループで大賑わいしているので、
13:00まで待って昼食にする。
スプリングロールとオニオンスープ、美味しくて満足。

青空の広がる気持ちいい天気ながら、今日も風が強い。
ニルギニが白雲に隠れたり出たりしているのを
部屋の窓から飽きずに眺めて、あとはベッドに寝てた。

15:30 ジョムソンの町へ散歩に出かける。
新市街を抜けたあたりで雲が晴れて、きれいにニルギニが全景を見せた。さっそくに記念撮影をする。
店でアクセサリと座布団用の手織り絨毯を買った。
ロッジに帰りホットレモンを飲んで、あとはゴロゴロ。

18:00から停電になる。
19:00夕食。 ボイルドベジとダルスープ。
昼間あまり何もしないで寝てばかりいたので、
夜は眠れなかった。

  ニルギニ全貌    

99日(土)     ジョムソンJomson 8:30 → ポカラPokhara  by air

5:30起床。 朝起きたら雲ひとつない青空がひろがっていた。 
ニルギニに朝日がさして美しくも神々しい景色だ。
かすかに頂上が見えるダウラギリの上方に月がかかっているのもうれしかった。

6:30朝食、トースト、ゆで卵。
8:30出発のポカラ行き飛行機に乗るべく、ジョムソン空港に行く。時間通り飛行機に乗ることが出来た。
今日の航路は昨日と違って一旦トロン・パス方向に上昇し、それからニルギニ方向に向かっている。
上空から見るカルガンダキ・コーラはすさまじい川幅だ。

ニルギニはきれいに見えたが残念ながらアンナプルナは逆光とガスのせいでかすんでいる。
あっという間にポカラに到着した。この間、ポカラからジョムソンに行くのにあれほど苦労したのがうそみたい

9:15 ホテル到着。以前と同じホテル(Hotel River Park Pokhara)4階の同じ部屋に落ち着く。
停電中でエアコンが使えず、暑い、暑い。 とりあえずマムズガーデン・レストランにビールを飲みに行こうという事になる。 
行ってみたら何と、改装休店してた!   道端の喫茶店でビールを飲む。 美味しいことこの上なし。

ホテルに戻り、うつらうつらと寝てた。
四階の部屋なので風通しが良くて気持ちが良い。
窓からの景色もポカラらしくて良い。
そのうち電気が通じてエアコンが入ったので、
ゆったりバスタブに浸かって汗を流す。

17:00ロビーでマンシンさんと待ち合わせ、
一緒に食事に行く。
ブーメラン
で牛ステーキを食べてビールで乾杯する。

急に雨が降ってきた。傘の中に移動して、雨の中で食べて、そのまま、濡れて帰る。
エアコンが効かないので、窓を全開にして快適に眠った。
夜中に雷がひどかったらしいけど全然気が付かなかった。

ポカラの町     ホテルの窓からの景色  

910日(日)     ポカラPokhara → チトワンChitwan   by car

5:30起床。窓からマチャプチャレがほんのりと影のように見えた。  6:30朝食。久しぶりに洋風ブレックファーストがおいしい。

7:00 高級エアコンカーでチトワンに向けて出発する。
田園風景の中をカトマンズまで続く幹線道路を走り、9:30 ナラヤニ川を渡り、ムグリンMugling到着。 お茶休憩。
ここでカトマンズ方面とチトワン方面へ道路が分かれる。
チトワンへはナラヤニ川に沿った道を行く。この道路はインドへ通じる重要な道路で、さまざまな物資を輸送するトラック、タンクローリー車が
ひっきりなしにインドからやってくる。
観光バスも多くて、トラックの間にはさまり、延々と長い行列が続いている。 ひどいほこりで、前が見えない程だ。

道路のところどころに舗装された箇所がある。 少しずつ舗装道路を造っているらしい。 全線舗装されるのは何時のことだろう。

チトワンに入ってから田んぼが地平線まで続くのどかな風景になる。ここら一帯は暖かいので二毛作が可能で、ネパール随一の米どころだそうだ。
ムスタンで食べた米もここから送られたものだと言う。

カサラ・リゾートホテルの場所が分からなくて、何人もの村人に聞きながら走り、12:30 やっとたどり着いた。
二階の食堂にユキコさんとマキが居た。 ついに会えた! ここまで遠かった! 
マンシンさんも一緒に5人で食事をする。 しばらくしてマンシンさんはポカラに帰った。 また来年会えますように!

カサラ・リゾートホテルKASARAはタムセクの経営するリゾートホテルである。
美しく整備された林の中に独立部屋が点在する造りになっていて、部屋の窓際に小庭を造り誰にも覗かれないように工夫してある。
スリランカで泊まったホテルを思い出す。 エアコンで部屋が常時涼しいのが何よりもうれしい。
 
  チトワンへの道 地平線まで続く田んぼ   カサラ・リゾートホテル  

チトワンChitwanはインドと国境を接するタライ地方にあり、豊かな自然を保護するために野生動物保護区に指定されている。
国立公園でもあリ、ユネスコ世界遺産にも登録されている。 ジャングルや草原の広がる公園内では40種類以上の哺乳動物が生息し、野鳥の楽園でもあるという。
しかし、チトワンはとにかく暑い。 涼しい山岳地帯から来た身には暑さがこたえる。

ゆっくり休んで16:00エレファント・ツアーに出かける。 車で20分くらい離れた 林のなかで象に乗り、河原や林を歩き回る。
暑い季節なのであまり動物は居なかったけど、インドサイに何回も出会った。 

インドサイは鼻の上に一本の角を持ち、鎧のような外皮で体が覆われている。草食性で群れを作らず1頭で暮らしているらしい。
貴重な絶滅危惧種であり、チトワンで一番有名な動物でもある。
嗅覚と聴覚が発達しているので、風下から音を立てないで近寄ると、象の姿には安心して逃げない。
1時間以上象に乗って遊んで、ホテルに帰った。水田の向こうに夕日が沈んでいく。

 
  鹿の群れ   インドサイ   象もご挨拶  

18:30 開放的で広々したレストランで夕食。 スイカジュースを飲み、ポークステーキを食べ、アップルパイとコーヒーのデザート。   
四人で話がはずむ。楽しいひと時だった。   シャワーを浴びて22:00寝る

9月11日(月)    チトワン滞在

朝のジャングルトレッキングが6:30から2時間あるという。 皆パスして、結局ユキコさん一人で行った。
私は5:00に目を覚ました。 庭を散歩して、またひと眠りする。

8:30朝食。 10:30車で象の水浴びに出かける。
河原で1頭の象(18歳の女の子)が水浴びするのを眺めてから、一人ずつ象の背中に馬乗りになって川の中を歩き、おもいっきり鼻シャワーをかけてもらう。
何とも気持ちいい。 象の背中は大きくて、乗り降りが少々恐かった。

 

河の近辺は2週間前の水害の跡が生々しい。
河原に大きな倒木がころがり、林の中は木の上1.5mくらいまで草が張り付いていた。

ホテルに帰ってシャワーをあびて、
13:00 豪華なチキンダルバートの昼食。

また昼寝をする。
我ながらよく眠れるものだと感心してしまう。

  水害の跡が生々しい川辺              
            象の鼻シャワー   チキンダルバート  

16:00 カヌーに乗って鰐の飼育場に行く。

先住民タルー族の住居が点在する村を通り 、
象の飼育場を通り、 地平線まで広がる田んぼの風景
を楽しみながら川まで行く。

川辺には細長い木製の舟が用意してあった 。
4人一列に船に乗り、後ろの船頭が長い竹竿で舟を漕ぐ。
穏やかな赤い川を舟は滑るように進んでいく。

岸辺で漁をしている舟があった 。
中州にサイが1頭佇んでいた。

30分くらい舟に乗って対岸にある鰐の飼育場に行く 。
園内には金網で区切られた水槽がいくつも並んでいて、
赤ん坊の鰐から年寄りの大きな鰐まで、
驚くほど沢山の鰐が飼育されていた。

鰐も保護政策をとらないと絶滅してしまうらしい。

林の中を散歩して再びカヌーに乗りホテルに戻る。
暑いのなんのって、部屋に帰ってまずはシャワーで
汗を流す。

 
カヌーの船頭さん            
 
鰐の飼育場   漁をする人  

1 9:30 プールの横の広場でダンスショーが始まる。
12人の踊り子がフォークダンスのような盆踊りのような素朴な踊りをみせてくれる。 愛想がないけど、皆可愛い。 小太鼓中心の音色が気持ちを緩やかにしてくれる。
ダンスショーがおわってから食堂に移り中華の食事になる。  4人で話が弾み10時まで食堂に居座る。

部屋に戻り、クーラーを調節して、すぐに寝る。  雷の音が絶え間なく聞こえた。

 
  ダンスショウ                      

9月12日(火)     チトワン1630 → カトマンズ1655  by air

夜、大雨が降った。
トイレと部屋への通路に水が溜まってビショビショだ。
6:00目が覚めたらまだ雨が降っていた。

8:30朝食。10:00 マキ達は村までサイクリング、
私達は1時間、牛車でのお散歩

牛車はゆったりした動きで気持ちいいけど、
あまりおもしろくなかった。
それでも存分に田園風景を楽しむ。
昨夜の雨であまり暑くなかったのが幸いだった。

  農作業する人々   先住民タルー族の住居

ランチは13:00。なんだかポカラ以降食欲もりもり、毎日食べ続けている気がする。
冷房のきいた部屋で快適に休憩して15:00チェックアウト。飛行場に向かう。16:30発カトマンズ行きは1時間遅れた。

カトマンズの飛行場でユキコさんとお別れする。

19:00 ホテル・シャンカーに落ち着いた。
20:10 三人で向かい側にある日本料理店こてつにて食事にする。  鉄火巻き、サーモン巻きがおいしかった。

ゆっくりバスタブに浸かり、荷物をスーツケースに詰め替えて11時過ぎに寝る。

913日(水)  カトマンズ2315 → 広州545 

9月14日(木)  広州 8:35 → 関空13:10

8:30 下のレストランに行く。ホテル・シャンカーの朝食はバイキング形式だ。マキも来た。
午前中、 もよりのスーパーマーケットに出かけて、さまざまな買い物をした。
昼食は買ってきたパンとジュースとりんごで済ます。

午後は昼寝。プールサイドの日陰で涼む。
ホテルの改装が随分すすんで、正面玄関の景観が美しい。来年には完成しているだろう。

16:00タメルまで歩いて、残りの買い物をすませて、“こてつ”に行く。 ワカサギのから揚げ、野菜の天ぷら、旅を感謝してビールで乾杯。 
やっぱり日本食は良い、心に染みる。

ホテルは21時のチェックアウトなので部屋でゆっくり休んでから出発した。

飛行機は順調に飛んで、1時間遅れで関空に到着した。

スーツケースを受け取ろうとしたら、30分待っても出てこない。 係員に調べてもらったらなんと、広州で留め置かれているという。
危険物チェックに引っかかったそうだ。カトマンズからの荷物はよく引っかかるのだと云う。結局、二日後に届いた。

無事、旅は終了。 巡礼の旅と言いながら、3週間、何ともすごい旅だった、と感慨にふける。